
世界遺産・日光の社寺を代表する日光東照宮は、江戸幕府初代将軍・徳川家康を祀る壮麗な神社です。豪華絢爛な陽明門、平和を象徴する眠り猫、教訓を刻む三猿など、見どころは尽きません。家康がなぜ日光を選んだのか、その歴史的背景やうんちくを知れば、旅の価値はさらに深まります。この記事では、東照宮の魅力と周辺観光、アクセス方法まで詳しくご紹介します。
日光東照宮とは
日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)は、江戸幕府初代将軍・徳川家康を祀る神社で、栃木県日光市に位置します。1616年に没した家康は、遺言により久能山(静岡県)に葬られたのち、二代将軍秀忠の命で日光に社殿が建立されました。三代将軍家光の時代に大規模改修が行われ、現在見られる極彩色の豪華な社殿群が完成しました。日光は江戸の鬼門(北東)にあたり、風水的にも江戸を守る重要な地とされました。境内には世界的に有名な陽明門、平和の象徴・眠り猫、人の生き方を諭す三猿など、多くの彫刻が配されています。1999年には「日光の社寺」として世界文化遺産に登録され、日本を代表する歴史的建造物群として国内外から多くの参拝者が訪れます。
徳川家康と日光東照宮の関係
日光東照宮は、江戸幕府初代将軍・徳川家康を祀る神社で、世界遺産「日光の社寺」を構成する代表的な建物です。1616年に駿府城で没した家康は、遺言で「遺骸は久能山に葬り、一周忌後に日光山に移すこと」と命じました。翌1617年、二代将軍徳川秀忠により日光に社殿が建てられ、三代将軍徳川家光の時代に現在の豪華絢爛な社殿群へと大改修されます。
なぜ日光が選ばれたのか
家康が日光を選んだ理由については諸説ありますが、有力なのは次の3つです。
江戸城の北方を守る風水的配置
日光は江戸の鬼門(北東)にあたり、霊的に守護する位置。
古くからの山岳信仰の聖地
日光山は修験道や山岳信仰の霊場で、霊威を持つと考えられた。
関東支配の象徴
東北地方への街道の要衝にあり、政権の威光を広めるのに適した場所だった。
日光東照宮の見どころスポット
陽明門(ようめいもん)
別名「日暮の門」と呼ばれ、あまりの美しさに一日中眺めていても飽きないといわれます。白漆喰の壁と極彩色の彫刻が豪華で、500以上の精緻な彫刻には中国故事や聖人、動物など多彩なモチーフが刻まれています。
三猿(さんざる)見ざる・言わざる・聞かざる
「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿は、人の一生を猿の姿に託して表現した彫刻群の一部。幼少期は悪事を見聞きせず、言わないことで無垢に育つべきという教訓を示しています。
眠り猫(ねむりねこ)
左甚五郎作と伝わる小さな彫刻で、眠っている猫の背後にはスズメが遊ぶ姿が刻まれています。これは「平和な世の中では猫も眠り、スズメも安心していられる」という平和の象徴です。奥宮へと続く参道の入り口に位置します。
奥宮と家康公の墓所
眠り猫をくぐり石段を上ると、奥宮に到着します。奥宮は家康公の墓所で、御宝塔と呼ばれる銅製の塔があり、静かで荘厳な雰囲気に包まれています。ここは多くの観光客が敬意を込めて参拝する場所です。
日光東照宮へのアクセス方法
電車でのアクセス
東京方面からは東武浅草駅から特急で約2時間「東武日光駅」下車、またはJR新宿駅から直通特急で約2時間「JR日光駅」下車。
日光駅から東照宮へは、駅前から東武バス「世界遺産めぐり」路線で約10分、「表参道」バス停下車、徒歩約5分。
車でのアクセス
東北自動車道「宇都宮IC」から日光宇都宮道路経由で約30分、「日光IC」下車後約5分。
付近に有料駐車場あり(東照宮大駐車場ほか)。
日光東照宮周辺観光 華厳の滝へのアクセス
日光東照宮から中禅寺湖・華厳の滝へは車またはバスで約40分。バスはJR・東武日光駅から東武バス中禅寺温泉行きで約45分、「中禅寺温泉」下車、徒歩約5分で滝に到着します。日本三名瀑のひとつに数えられる落差97メートルの華厳の滝は、東照宮とセットで訪れたい絶景スポットです。
歴史とうんちくを知ると旅の価値が倍増
日光東照宮は単なる豪華な神社ではなく、徳川家康の生涯、江戸幕府の政治戦略、当時の美術工芸の粋が集まった歴史的建造物です。背景を知ることで、門や彫刻、社殿一つひとつの意味や美しさがより深く感じられます。
歴史の舞台と自然の絶景を同時に楽しめる日光。東照宮の豪華さと静謐さを堪能したら、ぜひ周辺の滝や湖も巡り、日光の魅力を余すところなく味わってください。