ローマの休日はスペイン広場で イタリアなのになぜスペイン?

スペイン広場は、イタリア・ローマの中心部にあります。スペイン広場への行き方は、地下鉄A線に乗り、スパーニャ駅で降りるとすぐ横にスペイン階段が見えます。このあたりは道が狭くてバスが入れませんが、歩いて10分ほどのポポロ広場にはバス停があります。スペイン広場は多くの観光客が集まる、超がつくほど有名な観光スポットです。

イタリア・ローマにあるのになぜ「スペイン広場」なのか

みなさん、何故イタリアのローマにある場所なのにスペイン広場という名前なのかが気になりますよね?

ローマのスペイン広場へのスペイン階段

スペイン広場はローマの中で賑わいを見せている場所の一つで、間近にあるスペイン大使館にちなんで命名されました。19世紀初頭には、英国を代表するロマン主義詩人のシェリーがスペイン階段の左隣の建物に住んだことがあり、同じく英国を代表するロマン主義詩人のキーツは、療養のためローマを訪れスペイン階段の右隣の建物に部屋を借りそこで最期を迎えました。スペイン広場にあるこの部屋は、キーツ、シェリー記念館として一般に開放されています。

スペイン広場からトリニタ ディ モンティ教会への参道「スペイン階段」

スペイン広場からトリニタ ディ モンティ教会への参道となっている、この 135段の階段は、1717年に建築家フランチェスコ・ディ・サンクティスとアレッサンドロ・スペッキによって設計されスペイン階段と呼ばれています。波打つ曲線を取り入れた造形美は、周りの建物と見事に調和しています。18~19世紀のスペイン階段は、地元の画家や作家などさまざまな人たちが集う場所となりました。20世紀には、映画に登場して世界的に有名になりました。

スペイン広場の中央にあるバルカッチャの噴水

スペイン広場の中央にあるバルカッチャの噴水

1627年、ローマ教皇ウルバヌス八世の命を受け制作されたスペイン広場の中央にある噴水は、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの父であるピエトロ・ベルニーニの作品のバルカッチャの噴水です。船が沈みかけているように見えるのでバルカッチャという名前になったそうです。当時はスペイン広場あたりだけ水道の水圧が足りず水を吹き出したり滝のように流すことが困難だったようですが、ベルニーニは地面よりも少し低く作った水槽に船を半分沈めることで水圧を上げ船首や船尾から見事に水を湧き流すということに成功しました。

ローマのスペイン広場を見下ろすトリニタ・デイ・モンティ教会のオベリスク

ローマのスペイン広場を見下ろすトリニタ・デイ・モンティ教会のオベリスク

スペイン広場の階段の上に建つトリニタ・デイ・モンティ教会は1495年、フランス王のシャルル8世の命により建てられました。カルノ・マデルノがファサードを作り、1585年教皇シクストゥス5世によって献堂式が行われました。ナポレオンがローマを占領していた期間に内部の装飾が荒らされるなどして損傷を受けましたが、フランスの王政復古を受けて1816年に再建されました。スペイン広場を見下ろすように立つオベリクスは、ポポロ広場のオベリスクを小さく模造したものです。オベリスクのトップには、ピウス6世の紋章である百合と星が付けられています。

イタリア・ローマのスペイン広場周辺でカフェやジェラートを

スペイン広場からほど近い場所にあるカフェ・グレコは、1760年にオープンしたイタリアを代表する老舗のカフェで、当時スペイン内外から芸術家や作家たちの集う場所となっていたそうです。他にもスペイン広場界隈は数々のショップがありショッピングゾーンとして賑わっています。

ローマの休日のようにスペイン階段でジェラートを食べたい

映画「ローマの休日」で、オードリー・ヘプバーンがスペイン階段をバックにジェラートを食べるシーンがあります。映画が公開されたのは今から50年以上前ですが、このジェラートを作ったのは、世界で元祖のジェラート屋と言われる「パラッツォ・デル・フレッド(Il Palazzo del Freddo)」です。創設者はジョヴァンニ・ファッシ氏という方で、お店の入口には「G.Fassi」と表記されています。

いつからスペイン広場での飲食は禁止条例ができたか

現在はスペイン階段での飲食は禁止されていて、映画の主人公のようにここでジェラートを食べることはできません。実は、2004年に制定されたローマ市の条例によりスペイン広場での飲食は禁止されてしまいました。ローマの休日のようにスペイン階段をバックにジェラートを食べるのが夢だったという観光客も多いですが、夢は夢のままですね、スペイン広場でジェラートを食べると罰金になるのでお気を付けください

多くの市民や観光客がこのスペイン階段に集まり、街の景色を眺めながら会話や日光浴を楽しんでいますので、ローマ観光では是非立ち寄ってみて下さいね!

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