ウルル(旧エアーズロック) オーストラリアの巨大一枚岩の観光

ウルル(エアーズロック)は、オーストラリアのほぼ中央ノーザンテリトリー、ウルル・カタジュダ国立公園内に位置している先住民族アボリジニにとっての聖地。高さ348メートル、周囲9.4キロの巨大な一枚岩であるウルルは、宗教的な意味合いももつ、感動的な自然体験ができます。

ウルル(旧エアーズロック)への行き方

ウルル(旧エアーズロック)への行き方

ウルルはオーストラリアのシドニーから国内線で約3時間半のエアーズロック空港から車で約20分の場所に広がる砂漠に囲まれた場所にあります。

「ウルル」の意味とは?エアーズロックとの関係とは

「ウルル」の意味とは?エアーズロックとの関係とは

1987年に世界遺産となった一枚の岩。オーストラリアにある17の世界遺産のひとつとしても知られるウルル。エアーズロックの名でも知られています。そこは、先住民族アボリジニにとってかけがえのない聖地であり、そこに住むアナング族が太古の昔から生活してきた「家」でもあります。高さが348mウルルの周囲は9.4km。皇居1周はおよそ5km未満ですので、ウルルの外周はあの広い皇居の倍近くあることからその大きさが実感できます。

エアーズロック?ウルル?観光地化とその歴史とは

風による浸食でできたくぼみや穴は、とっても複雑で、精霊が宿るとアボリジニにいわれています。そんな精霊が宿るとされるウルルは1983年にイギリスの探検家がオーストラリアを探検中に発見され、当時のサウス・オーストラリア植民地総督のヘンリー・エアーズにちなんで、エアーズロックと呼ばれました。その後エアーズロック周辺に住むアボリジニであるアナング族が政府によって観光地化されていたエアーズロック一体の返還を求めて裁判を起こし、1986年政府はアナング族にエアーズロックを返還し、ウルルの名称を取り戻しました。

約6万年前に、東南アジアから渡ってきたと言われているオーストラリアの先住民アボリジニ。生活の知恵や教えを伝承するために、岩肌に壁画として残したものがロックアートです。ウルルの壁面にはドット・ペインティング(点描画)が彩られています。獲物である動物の骨格や内臓の位置を透視するかのように描いた「X線描法」と呼ばれる画法で、この壁画を残すことによって、動物の急所や食べられる部位など狩猟の知恵を伝えてきたと考えられています。

ウルルの登山、ウルル・カタジュタ国立公園内なので入場料が必要

ウルルと名を戻した1986年、政府がアナング族と交渉しアナング族が政府に99年間、ウルルを貸し出す契約をしました。登山をするにはウルル・カタジュタ国立公園に入らなければいけません。ウルルはアナング族だけではなく、アボリジニにとっても聖地です。その聖地ウルルに登るには入場料が必要で、その入場料の一部がアボリジニの人々の生活の糧となっている現実があります。ウルルの登山・岩登りは2時間くらいの道のりとなりますが、ウルルを訪れるには聖地に対する理解と選択が必要です。ウルルには、写真が禁止の場所も多々存在ます。

6億年前、現在ウルルがある地域は8000m級の山脈があったと考えられています 。その山脈を流れていた川は、山からふもとへ砂を大量に運び出し、扇状地を形成し、山脈を形成していた土砂は侵食によって流され、扇状地を覆って砂を砂岩へと変化させました 。硬い砂岩層は侵食の度合いが少なく地表に突出して表れ、7000万年前にはほぼ現在の姿となったといわれています。陽の光で様様な色に変化し人々を魅了してやまないウルルの美しすぎる姿は、こうした長い歴史と原住民の暮らしと共に存在しています。