アヤソフィアは西洋と東洋の文化が交わるイスタンブールの博物館

壁面は大理石と金地モザイク、上部は漆喰で装飾を施された7570㎡という大聖堂を有するアヤソフィアの観光ガイドです。

トルコ・イスタンブールの歴史を今に伝える現場を実感出来る必見の博物館はイスタンブールの旧市街、スルタン・アフメット地区に有ります。

アヤソフィア/トルコ・イスタンブール

トルコ・イスタンブール最大の名所といっても過言ではないアヤソフィア。

「聖なる知恵」という意味の名の、ビザンチン建築最高傑作です。

アヤソフィアは何世紀にも渡り世界で最も大きな教会として君臨し、現在では世界で4番目に大きい教会建築として知られています。

その歴史は古く紀元後360年から始まっています。

404年の火災による消失から再建と崩落を2度経て537年に完成した建物が現在に残るアヤソフィアです

アヤソフィア大聖・大聖堂内部/トルコ・イスタンブール

キリスト教世界で神を形容する意味の一つ「聖なる知恵」の名のアヤソフィアですが、1453年になると当時のオスマントルコ帝国によって、イスラム教の宗教施設であるモスクに変貌を遂げます。

イスラム教の偶像崇拝の禁止という教えに沿い、内部のモザイク画は漆喰で塗り固められイスラム装飾が施されたようです。

アラビア文字で書かれた巨大な円盤はイスラムの神や預言者の名前が描かれているそうです。

アヤソフィア・ミフラーブ/トルコ・イスタンブール

イスラム教で聖地メッカの方向を示すというミフラーブです。イスラム教徒はこのミフラーブに向かって礼拝するそうです。通常のモスクではこのミフラーブの位置が建物の中央に来るよう建設されるそうですが、アヤソフィアは元々キリスト教の教会だったため、メッカの方向を向いていないようです。微妙に右にずれているとか。異なる宗教の色がそこここに見る事の出来るアヤソフィアは数奇な歴史をたどってきたのですね。

アヤソフィア・聖母子像/トルコ・イスタンブール

トルコ革命後1931年から始まった、アメリカのビザンチン研究所によるアヤソフィアの調査・漆喰除去により永い眠りから醒めた聖母子像。

聖母マリアとキリストの幼少の頃が描かれています。正

確には漆喰に塗り込められていたものを修復したのか、新たにデザインされたのかは不明なようですが、アラビア文字で書かれた文字盤と聖母子像が共存するこの空間はアヤソフィアの真価といえるのではないでしょうか。

アヤソフィア/トルコ・イスタンブール

時代がトルコ共和国に入ると、アヤソフィアは宗教施設としてではなく博物館として開放されました。

西洋のビサンチン美術と東洋のイスラム美術の混同する神秘的なアヤソフィア博物館は、イスタンブール歴史地区の一部として、1985年にユネスコの世界文化遺産に登録されています。

厳かな空気が漂う類稀なアヤソフィアに歴史の重みを感じます。