「カサ・バトリョ」スペインにある巨匠ガウディの代表的建築物

スペインの観光名所 カサバトリョ(Casa Batllo)への行き方

スペインの観光名所 カサバトリョ(Casa Batllo)への行き方

スペインのバルセロナ空港から市街地まで地下鉄で約30分。地下鉄2・3・4号線のパセッチ・ダ・グラシア駅から徒歩2分ほどの距離に、巨匠アントニ・ガウディが手がけたおとぎ話に出てくる様な建築物の1つカサバトリョがあります

カサバトリョを英語で書くと

カサバトリョを英語で書くと、Casa Batlloになります。

カサバトリョの優先入場の事前予約と入場料

カサバトリョのステンドグラスミラー

カサバトリョは、ガウディの独特の創造にあふれる素材の選択やアルゴリズム手法を用いたタイル、ステンドグラスが特徴的な個人集合住宅ですが、カサ・ミラなどと合わせて「アントニオ・ガウディの作品群」として世界遺産にも登録されているとても有名な観光地となっており、ものすごい見学者の数です。カサバトリョには予約なし(当日の一般チケット)でも内部を見学できますが、カサバトリョに入場して内部も見学したい場合には、優先入場の事前予約をした方が安心です。いわゆるファストパスのような取り扱いで、カサバトリョの事前入場予約には時間指定はありませんので多少の待ち時間は出ますが優先的に入場ができるようです。(日付は指定)

カサバトリョの入場料は日本円でおよそ3500円前後です。

カサ・バトリョは2019年2月~6月までの間、外壁および建物内部の一部修復工事が行われています。工事期間中は内部見学は可能ですが、工事状況により見学が出来ない箇所があるかもしれません。

1900年初頭にカサバトリョはガウディ中心に大工事、見事な変貌を遂げた

カサバトリョはガウディ中心に目立つ建物に大工事

1877年に建設された建物であるカサバトリョはもともとシンプルな個性のないデザインだったそうです。1902年、隣に新たに建設されたカサ・アマトレールが非常に美しく存在感があり、カサバトリョが全く目立たなくなってしまいました。この当時の実業家、グエルやカサ・ビセンスのマニュエル・ビセンスもそうですが、彼らは皆、富の象徴として「目立つ建物」を持ちたがる傾向にありました。大繊維業者のジュゼップ・バトリョから依頼を受けたガウディが、1904年から1906年にかけて改築工事を行うことになりました。そしてカサバトリョは見事な変貌を遂げたのです。

外見が個性的なカサバトリョ、内部もガウディ独特の創造にあふれる手法で見る者を魅了

外見が個性的なカサバトリョ、内部もガウディ独特の創造にあふれる

バルセロナのなかでも外見が個性的な建築のひとつのカサバトリョ。ガウディは建物に5階と地下室を加え、内部にもこだわり工事をしました。玄関広間を広げ、階段や内壁を作り直し、各部屋に曲線的なデザインを持ち込んで、タイルやステンドグラスの装飾を施しました。海の世界をテーマにしたといわれるカサバトリョの波打った階段の手すり、魚の鱗を表現した壁、海の輝きとフルーツが混じったシャンデリアなどガウディ独特の創造にあふれる素材の選択やアルゴリズムの手法は、見る者を魅了してやまない芸術作品です。​

カサバトリョの造形のモチーフとは?カタルーニャの守護聖人の竜退治伝説の説

カサバトリョの造形には様々な説があるようで、一つは、カタルーニャの守護聖人のサン・ジョウディの竜退治伝説を表したものという説です。これは、屋根の丸みを帯びた形がドラゴンの背中にみえることが理由だそうです。この説によると、塔は聖人の構える槍とされ、カサバトリョには、ファサードの石柱が骨を想起させることから「骨の家」というあだ名もあることから、竜退治説によればこの骨もドラゴンの犠牲になったものたちの骨と理解されているようです。

カサバトリョの造形のモチーフとは?謝肉祭を表したという説

二つ目は、謝肉祭を表したという説のようです。こちらは、カサバトリョの屋根をアルルカンの帽子に見立てて、ファサードのバルコニーは仮面、色とりどりのタイルのモザイクが祭りの紙ふぶきを表しているという説です。

カサバトリョの見どころ ミラーなど光の性質を巧みに使ったガウディの工夫

カサバトリョは光の性質を巧みに使った工夫がされていて、ガウディの芸術性の高さが見受けられます。光が届きやすい建物の上部は明るい印象を与える濃い色、下部は光が届きにくく暗くなりがちなので淡い色を用いています。窓は下部にいくほど大きく設けることで、光を多く取り入れる工夫がされています。

タイルの色はガウディが細かく指示し、地元業者の廃棄物のガラスやタイルを再利用したことで、エコハウスとも呼ばれているカサバトリョですが、工事が完了した年すぐに人々から「骨の家」「あくびの家」というユニークなあだ名がつけられ評判になったそうです。しかも強烈な個性を放っていながら、隣の建物の個性を全く潰すことなく配慮されていて、ガウディ温かい人柄が窺える作品になりました。2005年にユネスコの世界遺産に登録されたカサバトリョは、ガウディの拘りぬいた芸術が至るところに見受けられる建造物のひとつです。