諏訪大社は長野県の諏訪湖周辺に位置し、本宮(ほんみや)、前宮(まえみや)、春宮(はるみや)、秋宮(あきみや)の四つの社から成る歴史ある神社です。信仰の中心地として知られる諏訪大社は、日本の多くの神社の中でも特に格式高い存在で、多くの観光客や参拝者が訪れます。初めての訪問でも楽しく巡れるよう、アクセス方法やそれぞれの神社の特徴を含めた参拝ガイドをお届けします。
諏訪大社へのアクセス方法
公共交通機関の場合
JR中央本線で茅野駅または上諏訪駅、下諏訪駅で下車します。
- 東京方面からの場合は、新宿駅から特急「スーパーあずさ」で茅野駅まで約2時間。
- 名古屋方面からは、名古屋駅から中央本線の特急「しなの」で岡谷駅乗り換え、茅野駅まで約2時間半。
バスは、茅野駅または上諏訪駅から各神社への路線バスが運行されています。初めての場合は、茅野駅からのアクセスが便利です。
車で諏訪大社へ行く場合
中央自動車道諏訪ICから約15分程度。神社間の移動は車が便利で、各神社に駐車場が完備されています。
諏訪大社の四つの神社
諏訪大社の「本宮(ほんみや)」
場所: 長野県諏訪市中洲宮山1
茅野駅からタクシーで約10分。または、バスで「諏訪大社本宮前」下車、徒歩5分。
諏訪大社の本宮(ほんみや)の特徴
本宮は諏訪大社の主祭場であり、諏訪湖の西側に位置しています。広大な境内には御柱祭で使用される巨大な御柱が立ち並び、拝殿や神楽殿も見応えがあります。特に自然豊かな雰囲気が特徴で、参道の並木道が印象的です。
諏訪大社の本宮(ほんみや)の参拝ポイント
- 「四社祭」などの主要な祭りが行われる中心的な場所。
- 本殿は一般には公開されていませんが、神秘的な雰囲気が漂います。
- 隣接する「御手洗池(みたらしいけ)」は浄化のための水場として有名です。
諏訪大社の「前宮(まえみや)」
場所: 長野県茅野市宮川2030
茅野駅からタクシーで約10分。または、本宮から徒歩約30分。
諏訪大社の前宮(まえみや)の特徴
本宮からほど近い前宮は、もっとも古いとされる社で、自然の岩をそのまま御神体として崇める原始的な信仰を感じられます。境内には、自然そのものを感じられるスポットが多く、信仰の起源を探る旅が楽しめます。
諏訪大社の前宮(まえみや)の参拝ポイント
- 山の神を祀る「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」の磐座(いわくら)として崇められています。
- 木々に囲まれた静寂な雰囲気の中で、自然と一体となった参拝ができます。
諏訪大社の「春宮(はるみや)」
場所: 長野県諏訪郡下諏訪町5828
下諏訪駅からタクシーで約10分。または、バスで「諏訪大社春宮前」下車、徒歩5分。
諏訪大社の春宮(はるみや)の特徴
春宮は、下諏訪町の中心に位置し、秋宮と対をなす神社です。春宮の周囲には、町並みや湯治場があり、温泉と神社参拝を組み合わせた旅が楽しめます。大きな木々に囲まれた境内は、春の風物詩としての役割を担います。
諏訪大社の春宮(はるみや)参拝ポイント
- 境内にある「万治の石仏(まんじのせきぶつ)」は、願い事をすることで知られています。
- 社殿の横には「酒樽(さかだる)」があり、昔からの酒造りに由来する信仰が見られます。
諏訪大社の「秋宮(あきみや)」
場所: 長野県諏訪郡下諏訪町上諏訪社1
下諏訪駅からタクシーで約5分。または、バスで「諏訪大社秋宮前」下車、徒歩5分。
諏訪大社の秋宮(あきみや)の特徴
春宮と対照的な秋宮は、豪華な拝殿と独特の造りが魅力です。周辺には温泉や歴史的な建物が点在しており、散策するだけでも楽しめます。秋の風情を感じられるスポットとして、多くの観光客が訪れます。
諏訪大社の秋宮(あきみや)参拝ポイント
- 木彫りの獅子舞や彫刻が見事な「御宝殿(ごほうでん)」。
- 境内には、諏訪湖の神事を象徴する「御柱(おんばしら)」があり、力強さを感じさせます。
諏訪大社のおすすめの回り方 「本宮・前宮」と「春宮・秋宮」に分けて順番に
諏訪大社の各社は、それぞれ徒歩や車で移動できる距離にあります。以下のルートが効率的に回るためのおすすめです。
- 茅野駅からスタート。
- まずは本宮へ。 駐車場が広く、全体の雰囲気を感じられるため最初に訪れるのに最適です。
- 次に前宮へ。 本宮から車で10分、または徒歩で30分。歴史を感じる静かな雰囲気を楽しめます。
- 下諏訪町に移動し、春宮へ。 前宮から車で20分程度。温泉街を散策しながら参拝できます。電車で移動する場合は2駅です。
- 最後に秋宮へ。 春宮から徒歩や車で数分の距離です。ここで秋の風情を感じながら参拝を締めくくります。
参拝のポイント
- 時間に余裕を持って: 各神社には独自の見どころが多く、ゆっくり回るとそれぞれの魅力を感じられます。
- 季節のイベント: 各季節に合わせた祭りやイベントも開催されているので、事前にチェックして訪問するとより楽しめます。
- 周辺観光: 諏訪湖や温泉地、地元のグルメも合わせて楽しむと、一層充実した旅になります。
諏訪大社の四社を巡る旅は、信仰と自然の調和を感じる特別な体験です。初めての訪問でも安心して回れるよう、ぜひこのガイドを参考に計画してみてください。
諏訪大社の御祭神
諏訪大社は、古くからの信仰を受け継ぐ由緒ある神社で、複数の神々が祀られています。四つの社(本宮、前宮、春宮、秋宮)には、それぞれ異なる御祭神が鎮座し、独特の神話や伝承が色濃く残されています。ここでは、諏訪大社の主要な御祭神について紹介します。
本宮(ほんみや)の御祭神
御祭神:はい
- 建御名方神(たけみなかたのかみ)
- 八坂刀売神(やさかとめのかみ)
特徴:
建御名方神は、大国主命(おおくにぬしのみこと)の子神とされる神で、武勇と農耕の神として信仰されています。伝承では、建御名方神が諏訪の地に逃れてこの地を開拓したとされ、その神力によって地域の発展をもたらしたといいます。一方、八坂刀売神は、建御名方神の妃で、豊穣や縁結びの神として親しまれています。
神話・伝承:
日本神話において、建御名方神は出雲大社の大国主命の国譲りに際し、最後まで従わなかったため、天照大神の使者によって諏訪の地に封じられたとされています。この伝説は、諏訪大社の神秘性と力強さを象徴するものとして、多くの信仰を集めています。
前宮(まえみや)の御祭神
御祭神:
- 建御名方神(たけみなかたのかみ)
- 八坂刀売神(やさかとめのかみ)
特徴:
前宮も本宮と同じく、建御名方神と八坂刀売神を御祭神としており、自然の岩を御神体として祀る原始的な信仰の形が残されています。この場所では、古代の自然崇拝が色濃く反映され、神秘的な雰囲気が漂います。
神話・伝承:
前宮は、建御名方神がこの地に逃れてきた際に最初に落ち着いた場所とされ、ここから諏訪の地の開拓が始まったと言われています。神話に基づく多くの古代儀式が行われてきたことから、信仰の起源を感じることができるスポットです。
春宮(はるみや)の御祭神
御祭神:
- 建御名方神(たけみなかたのかみ)
- 八坂刀売神(やさかとめのかみ)
特徴:
春宮も建御名方神と八坂刀売神を祀る神社です。春宮は、諏訪大社の中でも特に春の祭りや儀式が行われる場所として知られ、季節の変わり目を祝う祭礼が盛んです。豊かな自然に囲まれた境内は、季節の移ろいを感じることができるスポットです。
神話・伝承:
建御名方神が諏訪の地を開拓した後、春宮の地で春の豊穣を祝う祭りを始めたと言われています。この祭りは、地域の農業や生活と深く結びついており、春宮の信仰の中心に位置しています。
ら秋宮(あきみや)の御祭神
御祭神:
- 建御名方神(たけみなかたのかみ)
- 八坂刀売神(やさかとめのかみ)
特徴:
秋宮も建御名方神と八坂刀売神を祀り、秋の実りを祝う祭礼が行われる場所です。豪華な造りの社殿や、秋の風情を感じられる境内は、訪れる人々に豊かな自然の恵みと神聖な空間を提供します。
神話・伝承:
秋宮の地では、秋の収穫祭として建御名方神が祀られる儀式が行われてきました。この儀式は、秋の豊かな実りに感謝するものとして、地域の生活と密接に結びついています。
建御名方神と八坂刀売神について
建御名方神(たけみなかたのかみ)とは
日本神話における重要な神であり、大国主命の子神です。国譲りの際に天照大神の使者と争った後、諏訪の地に封じられました。その武勇と開拓精神から、地域の発展や農業の神として信仰されています。
建御名方神(タケミナカタノカミ)とは?出雲の国譲りに抵抗し諏訪に封印された神
八坂刀売神(やさかとめのかみ)とは
建御名方神の妃であり、豊穣や縁結びの神として信仰されています。穏やかで慈悲深い神として、地域の人々に親しまれています。
まとめ
諏訪大社の四つの社それぞれに祀られる御祭神は、信仰の中心であり、多くの神話や伝承に彩られています。建御名方神と八坂刀売神の物語は、諏訪の地の歴史や文化に深く根ざしており、神々への敬意と感謝の念が長い年月をかけて築かれてきました。参拝者は、神々の力と歴史を感じながら、それぞれの社を訪れることで、より深い信仰と自然への畏敬の念を体験できるでしょう。