
大分県宇佐市に鎮座する宇佐神宮は、全国に約4万社あるという八幡さまの総本宮です。参拝を考えている方の多くが気になるのが、その独特な参拝方法です。実は宇佐神宮では、一般的な神社とは異なるお参りの作法が伝わっており、さらに参拝する順番にも大切な決まりがあります。この記事では、初めての方でも迷わないよう、宇佐神宮の正しい参拝方法と回る順番を中心に、わかりやすくご紹介します。
宇佐神宮の参拝作法は二拝四拍手一拝

宇佐神宮を参拝するうえで、まず知っておきたいのが拍手の数です。多くの神社では二拝二拍手一拝、つまり二回おじぎをして二回手を打ち、最後に一回おじぎをするのが一般的ですよね。ところが宇佐神宮では、手を打つ回数が異なります。正しくは二拝四拍手一拝、二回おじぎをして四回手を打ち、最後に一回おじぎをする作法となっているのです。
この四拍手という作法は、全国の神社の中でも大変珍しいものです。同じく四拍手でお参りする神社としては、島根県の出雲大社がよく知られています。なぜ宇佐神宮が四拍手になったのか、その由来を明確に伝える史料は残っておらず、今もはっきりとは分かっていません。それだけに、古式ゆかしい作法を体験できる神社として、参拝の際にはぜひ意識してみたいところです。
御殿は向かって左から順にお参りする
宇佐神宮の本殿には、三柱の神様がお祀りされています。向かって左から順に、一之御殿に八幡大神、二之御殿に比売大神、三之御殿に神功皇后がおまつりされています。お参りする際は、この一之御殿から二之御殿、三之御殿へと、向かって左から右の順にめぐるのが正式な作法です。それぞれの御殿で、先ほどの二拝四拍手一拝を行いましょう。
上宮から下宮へ 参拝する順番の決まり
宇佐神宮は、小高い丘陵である小椋山の山頂に鎮座する上宮と、その麓に鎮座する下宮の二つに分かれています。国宝に指定されている本殿があるのは上宮です。
参拝の順番には決まりがあり、まず上宮を参拝し、そのあとに下宮へ向かうのが正しい流れとされています。鳥居をくぐって境内に入り、途中の社殿なども参拝しながら、まずは奥にある上宮を目指します。上宮では本殿への立ち入りはできませんので、南中楼門から参拝することになります。上宮でのお参りを終えたら、祓所のあたりまで戻り、そこから下宮へと向かいます。
下宮参らにゃ片参りという言葉
宇佐神宮には、古くから「下宮参らにゃ片参り」という言葉が伝えられています。これは、上宮だけを参拝して下宮をお参りしないのは、片方だけの不完全な参拝になってしまう、という意味です。下宮には上宮と同じ神様がお祀りされており、かつては一般の人々の暮らしに関わる神様として親しまれてきました。せっかく宇佐神宮を訪れたなら、上宮と下宮の両方をきちんとお参りして、片参りにならないようにしたいものです。
知っておくとおもしろい宇佐神宮の奥深さ
宇佐神宮は、参拝方法だけでなく、その成り立ちにも神秘的な一面があります。宇佐神宮の南にそびえる御許山の山頂には、奥宮とされる大元神社が鎮座しています。ここには三つの巨石が祀られており、二之御殿にまつられる比売大神が最初に降り立った霊地と伝えられています。
この御許山をめぐっては、地元に興味深い言い伝えも残されています。本当の神様は御許山の奥宮におられるという考え方から、宇佐神宮にまつわる神秘のひとつとして語られることがあるのです。こうした背景を知って参拝すると、二拝四拍手一拝の作法にも、より深い意味が感じられるのではないでしょうか。上宮の反対側には大元神社を拝むための遥拝所も設けられていますので、あわせて手を合わせてみるのもおすすめです。
ご利益と参拝の所要時間
宇佐神宮の主祭神である八幡大神は、応神天皇のことであるとされ、勝運や出世開運、国家鎮護の神様として古くから崇敬されてきました。二之御殿の比売大神は、宗像三女神とされ、縁結びや芸能のご利益で知られています。三之御殿の神功皇后は、安産や子育ての神様として信仰を集めています。
上宮と下宮を中心に、呉橋や大楠といった見どころもあわせて巡る基本的な参拝で、所要時間はおよそ60分から90分が目安です。境内は広く、自然豊かな参道が続きますので、時間に余裕を持って訪れると、ゆったりとお参りできます。
所在地とアクセス情報
宇佐神宮の基本的な情報を表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 大分県宇佐市南宇佐2859 |
| 電話番号 | 0978-37-0001 |
| 開門時間 | 5時30分から19時頃 ※季節により変動 無休 |
| 参拝作法 | 二拝四拍手一拝 |
| 駐車場 | あり 有料 |
お車の場合は、東九州自動車道の宇佐インターチェンジから10分ほどです。公共交通機関を利用する場合は、JR日豊本線の宇佐駅からバスやタクシーでアクセスできます。駐車場は神社周辺に用意されています。
まとめ
宇佐神宮を参拝する際に押さえておきたいのは、次の三つです。作法は二拝四拍手一拝であること、御殿は向かって左の一之御殿から順にお参りすること、そして上宮だけでなく下宮まで参拝して片参りを避けることです。この三点を意識するだけで、初めての参拝でも迷わず、宇佐神宮ならではの古式ゆかしいお参りを体験できます。八幡さまの総本宮で、正しい作法とともに心を込めて手を合わせてみてください。
宇佐神宮の神様や八幡信仰の歴史については、こちらの記事でさらに詳しくご紹介しています。
